日本医療機器産業連合会/年頭記者会見
日本医療機器産業連合会(医機連)の2016年年頭記者会見が、1月6日、KKRホテル東京(東京・千代田区)で開かれ、中尾浩治会長が、我が国を取り巻く医療環境や医機連の課題と今後の取り組みについて語った。
初めに海外で開発された最先端の医療機器が、日本で承認されるまでに生じる、時間の遅れを示す「デバイスラグ・デバイスギャップ」について、わが国が米国より早くなりつつある例を示した。
また、医療保険制度改革の対応では、28万品目に上る特定保険医療材料は短期間で実勢価格調査を行うのが難しい、販売業者への負担が大きいなどの理由から毎年改定に継続して反対するとした。
さらに消費税増税時の価格改定は、増税分に見合ったもの、つまり償還価格に一定の割合を乗じることなどを求めていくと述べた。
外国価格参照制度については、現在、内外価格差が1を割り0.8となっていることから、同制度存続の意味はないとして廃止を求め、今後、新たな償還価格制度のあり方を検討すべきとした。
施行2年目を迎えた医薬品医療機器法については、「法と運用」に対して業界内で徹底を図るとともに、「一変不要範囲の拡大」も含めた運用面での課題についても行政との連携を深め、早期解決を図るとした。
医療ICTの推進については、遠隔医療、在宅医療、医療情報の利活用に向けたルールの整備および規制緩和、診療報酬のスキームを検討課題に挙げた。
最後に中尾氏は、「社会保障制度改革の議論や施策立案が活発に行われるが、それら多くが『診療報酬引き下げ』や『ジェネリック医薬品の利用促進』など、短期財政論に偏重している。もっと中長期の観点から、医療の質向上や医療費の抑制の議論を進めるべきだ」と締めくくった。