日本慢性期医療協会/定例会見
日本慢性期医療協会は、1月14日にホテルオークラ東京(東京・港区)で、定例会見を行った。
会長の武久洋三氏(博愛記念病院)は「日本に寝たきりが多い理由を考えよう」と題して、データを示しながら次のように述べた。
「日本の医療には良い面もあるが、平均在院日数が多い、寝たきりが極端に多い等の問題点も存在する。平均在院日数の国際比較によれば、日本は明らかに在院日数が長い。寝たきりが多い原因はそこにあり、急性期病院での入院期間を外国並みに短縮すれば寝たきりは少なくなるのではないかと考えた。
当協会の会員病院で調査した結果、急性期病院の入院期間が短ければ、後方病院の入院期間も短くなることが分かった。急性期治療後は、早急にリハビリを集中的に実施できる施設に移すべきであろう。
また、厚労省はDPC改革で急性期病院の平均在院日数の短縮を目指しているため、急性期病床数は減少することが見込まれる。2040年には全国の高齢者数が減少するといわれており、現在急増中の高齢者が減少するまでの約20年間を乗り切るためには、新施設を作るのではなく、急性期病床の削減で空いた病床を利用すればよい。既存の病院を利用したMFH(多機能病院-1つの病院の建物内に急性期・回復期リハ・病院型特養等を併存させる)の『垂直型連携』ができれば、安倍首相が目指す『介護離職ゼロ』のための病床は、新たな投資なしに実現できる」。
続いて矢野 諭常任理事が、同協会を含め14機関が実施している「看護師特定行為研修」の同協会における進行状況を報告。指導者養成の重要性にも触れた。池端幸彦副会長は、厚労省の「療養病床の在り方等に関する検討会の議論から」で、看護配置基準や病床面積等についての同協会のスタンスを説明した。