NEC/病院経営戦略セミナー2019
NECは、1月25日、関西支社(大阪市中央区)にて「NEC病院経営戦略セミナー2019」を開催した。
同セミナーでは、松尾 茂氏(同社医療ソリューション事業部長)の挨拶に続き、副島秀久氏(済生会熊本病院)が「病院経営に必要な4つのガバナンス」と題して講演した。
副島氏はガバナンスの重要要素として「人事・財務・質管理・情報」を挙げ、「特に『人事』と『財務』を詳細に把握することが欠かせない。両者は全ての業務の基盤であり、『質管理』や『情報』は後からついてくるものだ」と指摘。人事面については「人を評価して給与に反映させる人事考課制度、海外研修などの機会を与える人材育成制度、能力を重視した年功序列の廃止」、財務面については「人事考課に基づく給与制度、頑張った部署に報いる部門別収支計算、病院全体で考慮すべき高額医療機器導入審査」をポイントとして挙げた。さらに、「効率よく働くための質管理面や、データを分析し利用できる電子カルテ運用などの情報面も、今後重要になってくる」と述べた。
宇都由美子氏(鹿児島大学病院)は、「病院再開発にも負けず100床減少にも負けず丈夫な病院になりたい」と題して講演。宇都氏は、鹿児島大学病院が20年かけて行う病院再開発における経済的負担や100床減少の現状を解説し、その対策として「病床稼働率の向上」を職員全員に伝達したという。その上で、同氏は早期退院を実践するために、「DPC入院期間Ⅱ内で患者に退院してもらえるよう職員意識の改革を図り、入院期間Ⅱの最終日が近付いてくると、それを医師に知らせるようにしている」と述べた。
また、医療安全向上を目的とする「指示システム」を開発・実用化したことで、「インシデントがほとんどなくなった」と報告。さらに、患者の持参薬と院内処方との配合禁忌を避けるシステムの整備により、一層の患者安全の実践と経済効果が得られたと強調した。