オリンパス/十二指腸スコープ「TJF-Q290V」を発売
オリンパスは、高い処置性と繊細な操作性を兼ね備えた十二指腸スコープ「TJF-Q290V」を2019年1月31日から国内で発売する。
十二指腸スコープは、口から挿入し、十二指腸乳頭部から処置具を挿入して胆管や膵管の診断・治療を行うために使用する。今回発売する「TJF-Q290V」は、十二指腸スコープに必要とされる「高い処置性」と「繊細な操作性」の両立を目指した。使用できる処置具のバリエーションが豊富でありながら微妙なスコープの操作を可能にすることで、安心で低侵襲な治療に貢献する。
また、近年の胆膵内視鏡診療の増加に伴い、医療機器の安全確保に向けた「リプロセス(洗浄・消毒)」に対する要求は高まっている。本製品は、安心で安全な胆膵内視鏡診療のために、効率的なリプロセス作業の実現に寄与する。
●開発の背景
胆石症や胆管狭窄などの膵胆管疾患は近年増加しており、外科手術に比べて負担の少ない内視鏡的治療の普及が進んでいる。胆管・膵管は消化管の中でもアプローチが困難な部位であり、患者の個人差などによって様々な処置具を使う必要があるため、非常に繊細な操作が要求される。
オリンパスはこれまで、鉗子挿通用管路が大きく処置性に優れた「TJF-260V」と、より細かな操作性に優れた「JF-260V」の2種類の十二指腸スコープを発売してきた。今回、その両方の特長を兼ね備えた「TJF-Q290V」を開発したことで、確実で安心な手技の実現を目指す。
<特長>
1. マニュアル洗浄の高い効率性実現のため、スコープ先端部の構造を見直し
TJF-Q290Vは、効率的な洗浄作業を実現するため、スコープ先端部に装着するカバーをリユースからディスポーザブル(使い捨て)に変更した。また、鉗子台の構造を見直して鉗子起上ワイヤー管路を廃止したため、管路の洗浄作業が不要になった。さらに、専用の洗浄アダプターを使うことで、鉗子台周辺部の十分な洗浄に貢献する。
2. 高い処置性と繊細な操作性の両立を実現
使用できる処置具のバリエーションを豊富にするため、大きな鉗子挿通用管路を採用した(4.2mm)。処置具の胆管への挿入性・アプローチ性の向上を目指し、スコープから処置具が出る際の傾きの角度や、スコープの湾曲半径を小さくするなどの改良を図った。また、スコープを操作する手元側の押し引きやひねりがスコープ先端部まで伝わりやすい「高伝達挿入部」を搭載したことにより、高い処置性と繊細な操作性の両立を実現した。
3. ガイドワイヤー固定機能の改良により、処置性の向上に寄与
胆膵内視鏡診療は、複数の処置具を繰り返し胆管・膵管に挿入する。ガイドワイヤーを胆管に留置しておくと、処置具をガイドワイヤーに沿わせて容易に挿入することができ、手技がスムーズに行える。十二指腸スコープの先端部には処置具を抜去する際にガイドワイヤーも一緒に引き抜いてしまわないようガイドワイヤー固定機能(センターロック)が搭載されている。
本製品は、センターロックの固定強度を強め、細いガイドワイヤーを固定しやすくなった。さらに、センターロックよりも強い固定強度のサイドロックを新たに追加し、2つの固定方法を選択的に行えるようになり、あらゆる患者や疾患に対する確実な処置に寄与する。
問い合わせ先=オリンパス 広報・IR部
TEL:03-3340-2174