日本メドトロニック/植込み型補助人工心臓システムHVADの薬事承認取得
日本メドトロニックは、重症心不全の治療に用いられる「植込み型補助人工心臓システムHVAD」の製造販売承認を2018年12月6日に取得した。
植込み型補助人工心臓は重症心不全の治療選択肢のひとつで、心不全症状の改善、退院、そして社会生活への復帰を目指す治療に用いられる。植込み型補助人工心臓による治療は、適応される患者の命を延ばすことができると期待されている。国内では心臓移植までの橋渡しの治療として保険収載されている。国内における心臓移植の待機患者数は増えており、実際の移植数の伸びを上回ることから、待機期間が約3年と、諸外国よりも長い傾向にあるため、植込み型補助人工心臓の需要も増えている。
「植込み型補助人工心臓システムHVAD」は米国、ヨーロッパ他、47の国において累計17,000例以上の患者に使用された実績がある磁気浮上型の遠心ポンプによる補助人工心臓である。ポンプ内部のインペラ(羽根車)は磁気および流体動圧浮上原理により軸部と非接触であるため、血球成分へのダメージが低減されると期待されている。大きな特長として、容積50立方センチメートル、重さ160グラム(ドライブラインを除く)と小型の補助人工心臓でありながら、10リットル/分までの流量の循環補助が可能。この小型で心膜内に植え込むことが可能なデザインは植込み手技を容易にし、同時に患者の身体への負担の軽減を目指している。
植込み後は、専用モニタによりポンプのリアルタイムの流量と消費電力を波形グラフで表示できるため、患者の状況変化の察知に役立てることができる。また、直近30日間の作動状況の推移を解析レポートとして出すことができ、医療機関でのフォローアップ時の情報として利用することが可能。
問い合わせ先=日本メドトロニック 広報グループ
TEL:03-6776-0002