富士フイルム/米インディアナ大学医学部と共同研究契約を締結
富士フイルムは、米国の高度先端医療機関であるインディアナ大学医学部
(Indiana University School of Medicine、以下:IUSM、米インディアナ州)と、AI技術を活用した医療画像診断支援システムの開発に関して共同研究契約を締結し、8月28日より米国で研究を開始した。
近年、CTの多列化など画像診断装置の高性能化に伴い、院内で撮影される診断画像の枚数が増大しており、医師がこれらの大量の画像を効率的に読影・診断できるソリューションが求められている。また、AI技術を活用することで、画像から病変の疑いがある箇所を検出したり、過去の症例と照合し、レポートを半自動で作成するなど、医師を支援し、医療現場の効率化に貢献できるシステムが期待されている。
富士フイルムは、このようなニーズに応えるために、医師の診断ワークフローを総合的に支援する、AI技術を活用した画像診断支援システムの研究開発を進めている。複数の自社開発プロジェクトを推進するとともに、多様な疾患に幅広く対応できるよう、優れた技術を有する国内外のAI技術ベンダーとも積極的にパートナーシップを組み、各社のAI技術を当社システム上で利用できる仕組みの開発を推進している。
今回の共同研究では、富士フイルムの画像処理技術やAI技術と、IUSMの豊富な読影・臨床知見を融合することにより、医師の画像診断プロセスやノウハウを取り込んだAI技術を開発するとともに、グローバル展開を見据えて、医師の診断ワークフローを支援する最適なシステムを探索する。まずは、富士フイルムのAI技術による加齢や臓器不全などの疾患によって全身の筋力や身体機能が低下するサルコペニアを対象とした、診断・治療支援の可能性、脳神経領域での病変候補の検出および定量化による読影支援の可能性について、共同で検証していく。
富士フイルムは、医療画像診断支援、医療現場のワークフロー支援、そして医療機器の保守サービスに活用できるAI技術の開発を進め、これらの領域で活用できるAI技術を、”REiLI(レイリ)”というブランド名称で展開し、各市場のニーズやワークフローに適したソリューションとしてグローバルに提供していく予定である。今後、ビッグデータ化する診療情報に対してAI技術を活用し、医療現場のさまざまなニーズに応える幅広い製品・サービスを開発・提供することで、さらなる診断の効率化と医療の質の向上を目指す。