富士フイルムメディカル/デジタル式乳房用X線診断装置向けのオプションを発売
富士フイルムメディカルは、デジタル式乳房用X線診断装置「AMULET Innovality(アミュレット イノバリティー)」向けのオプションとして、乳房の圧迫を自動で減圧制御する「Comfort Comp(コンフォートコンプ)機能 “なごむね”」、医師の診断をサポートする「乳腺領域での乳腺量計測機能」を発売する。
同社は、マンモグラフィ検査を受診しやすい製品・機能・環境の提供を目指すコンセプト「AMULET Harmony(アミュレットハーモニー)」で、乳房を固定する圧力を分散させる「Fit-Sweet(フィット スイート)圧迫板」や、撮影室の雰囲気を明るくする装置用デコレーションラベルなどマンモグラフィ装置用のオプションを、2013年から展開している。
今回、圧迫時の痛み軽減を目的とした更なるソリューションとして、従来通りのポジショニングで乳房の圧迫固定を行った後、乳房の状態や画質・線量に影響しない範囲で圧迫力を自動で減圧する「Comfort Comp機能 “なごむね”」を追加した。乳房には、現在加えられている力だけでなく、過去に加わった力に依存して状態が変化する「ヒステリシス(履歴現象)」現象が生じる。加圧時と減圧時で乳房の圧迫力が同一であっても、減圧時の方が加圧時よりも乳房の厚みが薄くなる特性を活かし、設定した圧迫力に応じた減圧を自動で行うことで、乳房の圧迫力が最大になっている時間を通常より短縮する。
また富士フイルムは、「AMULET Innovality」のオプションとして腫瘤等の病変が観察しにくいとされる高濃度乳房(デンスブレスト)など乳房のタイプを医師がより定量的に判断できるように、マンモグラフィ画像から乳房領域の乳腺量を自動算出する「乳腺量計測」機能を、2016年から提供している。
今回、新たに同社がこれまでマンモグラフィ検査領域で培ってきた画像解析技術を活かして、NPO法人日本乳がん検診精度管理中央機構が定める乳腺分類基準に沿った算出方法である「乳腺領域の乳腺量計測機能」を追加した。同機能により得られた結果は、乳腺分類の精度を高め、また現在検討されている超音波同時併用検診の対象者の判定などに役立つことが期待される。