エレクタ/転移性脳腫瘍の米国と日本における最新治療戦略を紹介
エレクタは、2月7日にトラストシティカンファレンス・丸の内(東京・千代田区)で、プレスセミナー「がん患者の10人に1人が発症する“脳転移”治療 最前線~がんと共存する時代の、『転移性』脳腫瘍の適切な治療とは」を開催した。
セミナーでは、米国の脳神経外科・放射線治療科の権威で多くの治療実績を持つディレンドラ・プラサード氏(ロズウェルパークがんセンター ガンマナイフセンター長)が、「患者さんの立場に立った新しい脳転移の治療戦略 Saving Brains by changing Minds: Patient centered management of Brain Metastasis」と題し、米国における最先端の脳転移治療について講演。「転移性脳腫瘍の患者に対するマネージメントの考え方は大きく変わってきている」と述べ、米国での転移性脳腫瘍の治療の現況を説明。エレクタのガンマナイフの新製品Iconについて従来製品との違いを紹介した。
次いで中川恵一氏(東京大学医学部附属病院放射線科准教授 放射線治療部門長)が、「脳転移をめぐるパラダイムシフト」と題して講演した。中川氏は日本における転移性脳腫瘍の現況について、欧米と異なって脳転移の約14%がEGFR遺伝子変異が原因であると説明。現在、分子標的薬EGFR-TKIの登場で長期生存が可能となっているが、認知機能の低下をもたらす全脳照射はより大きな問題を引き起こすと懸念を示し、ガンマナイフを含む定位放射線治療からEGFR-TKI治療を行うことがべストではないかと述べた。
また、日本の放射線治療の現状にも触れ、「これまで伸びてきた放射線治療の件数が最近減少傾向にある。放射線治療の有用性をもっと広めていきたい」と語り、がん対策推進企業アクションや教育指導要領へのがん教育などへの取り組みについて紹介した。