単回医療機器再製造推進協議会/医療機器分野の新産業領域発展を目的に協議会発足
使用済みの単回使用医療機器(SUD)の再製造に関する普及や産業創出を目指す任意団体として、「単回医療機器再製造推進協議会」が1月5日に発足した。その背景として、昨年7月の単回使用医療機器(SUD)の再製造に関する新たな通知が厚労省から発出されたことがあげられる。2月2日に日本橋ライフサイエンスビルディング(東京・中央区)で、協議会発足会見を開いた。
会見では、同協議会発足の背景や目的、施策や国内企業による新事業の方向性等が語られた。
主催者挨拶として松本謙一氏(同協議会理事長)は、「医療機器のイノベーションを促す一方で、医療費を下げる議論も必要となる。医療資源の有効活用、安全管理、環境保全、経済性の観点からSUDの再製造普及に取り組みたい」と述べた。
武藤正樹氏(同協議会最高顧問兼特別会員)は、『単回使用医療機器の海外事情』の中で、米国・イギリス・ドイツ諸国等でのSUD再製造事情を示し、「米国では2000年以降、再製造されたSUDはオリジナル品と同等であるという承認基準『510K』を整備し、SUD再製造の公的な道を切り開いた」とし、「ドイツでは『病院衛生と感染防止に係る勧告』(KRINKO勧告)を満たすことを条件に、多くの病院でSUD再製造品使用している」と述べた。
上塚芳郎氏(同協議会最高顧問兼特別会員)は、再製造の容易な医材(循環器用カテーテル)や難易度の高い医材(腹腔鏡手術関連製品)を示した上で、医療経済に及ぼす影響の日米の差を述べた。
佐伯広幸氏(日本ストライカー)は、同協議会の目的である“資源の有効活用”と“医療の安全担保”を具体的に説明し、佐々木勝雄氏(ホギメディカル)は、企業会員として新産業振興への姿勢を示した。最後に事務局として長谷川フジ子氏が、協議会の事業内容について報告した。