島津製作所
ヘルスケア領域への更なる貢献をアピール
http://www.med.shimadzu.co.jp
島津製作所は毎年、性能や仕様を進化させた既存装置の最新バージョンを展示しているが、今回は5機種を出展。その他、1機種の新製品をブースに設置した。また、同社は従来からの画像技術による診断・治療支援に加えて、同社のコア技術1つである分析計測技術を応用した『予防・予後』のフォローアップを進めており、それらの装置の展示も来場者の関心を集めていた。
●血管撮影システム「Trinias MiX F12 package」
新画像処理技術「Flex‐APS」、およびPCI支援アプリケーション「新SCORE StentView」を紹介。「Flex‐APS」は、頭部・四肢DSAにおける患者のひねり・ねじれ方向の体動をリアルタイムかつ自動的に補正する新技術。アーチファクト低減が可能となることで、造影剤の減量や検査時間の短縮効果が期待できる。「新SCORE StentView」は、フルスクリーン表示によりステントの位置を確認しやすくし、より低侵襲な治療を可能とする新機能。これらの新技術は、今秋に発売されるシステムに設定される予定である。
●X線TVシステム「SONIALVISION G4」
新開発の高速透視画像処理「SUREengine FAST」を搭載した実機を展示。同技術は、胆管・膵管の内視鏡検査時のX線照射量低減に寄与し、従来比で約60%抑えることができる。また、リアルタイム画像処理によりフレーム遅れを招かない技術を開発し、残像・ノイズを効果的に除去することで、X線照射量の抑制下での高画質を実現した。これらの機能搭載により、従来から可能なトモシンセシスや骨密度測定に加え、消化器内視鏡手技における有用性が期待できる。
●放射線治療装置用動体追跡システム「SyncTraX FX4 version」
4月12日に発売した新バージョンのデモ機を展示した。従来は、2式のX線管とカラーイメージインテンシファイアを採用していたが、「SyncTraX FX4 version」は、4式のX線管とFPDを採用。FPD搭載で歪みのない高精細な画像の取得が可能となり、観察視野は約1.5倍に拡大された。
●回診用X線撮影装置「MobileDaRt Evolution MX7 version」
「MobileDaRt Evolution MX7 version」は、2016年6月に発売された最新バージョンで、画像処理ユニットに最新のDRシステムを導入。その他、本体の画像表示部に17インチの大型液晶モニタを採用するなどの改良が施されている。その後、自社製に加え富士フイルムとキヤノンのFPD搭載モデルを追加し、今回の展示モデルにそれらの実機を用意。なお、デジタル回診車「MobileDaRt 」シリーズは、2016年10月に世界累計販売3000台を達成し、その記念マークを展示ブースの間仕切りに使用していた。
●一般撮影システム「RADspeed Pro EDGE package」
トモシンセシス、長尺撮影、デュアルエナジーサブトラクションが1台で行える一般撮影システム。2016年の展示モデルから機能面の変更はないが、エクステリアの仕様が新しくなった。新バージョンは、外観カラーの一部にピアノブラックを使用しており、これは装置の高級感を演出するためのデザイン手法であるという。なお、今回展示された最新バージョンは近日中に発売予定である。
●近赤外光カメラシステム「LIGHTVISION」
乳がん手術におけるリンパ管へのがん細胞転移確認目的の生検を支援するシステムで、2016年9月に発売。リンパ管に投与したICG(インドシアニングリーン)に近赤外励起光を照射し、ICGから発生する微弱な近赤外蛍光を画像化することで、直視下では確認できない組織表面下のリンパ管をモニタにカラー表示し、動態把握を可能にする。また、近赤外蛍光画像の色を周囲の組織や血液・体液の光の反射と区別しやすい緑や青に変更し、血管やリンパ管をより把握しやすくすることができる点も装置の特長となる。