GEヘルスケア・ジャパン/血管外科治療最前線と慈恵医大外科学講座での取り組みを紹介
GEヘルスケア・ジャパンは、10月21日に日本GE(東京・港区)で、世の中で関心を集めている医療テーマについて専門家を招き最新の情報を伝えるセミナー「ヘルシーマジネーション・カレッジ」の第15回目を開催した。今回のテーマは、「村社会が組織活性化の要である~東京慈恵会医科大学外科学講座での取り組みと血管外科治療最前線」。
同社代表取締役社長兼CEOの川上 潤氏は、冒頭の挨拶で「高齢社会になってくると、低侵襲治療が非常に重要になる。GEは低侵襲の血管内治療、さらに開腹開胸手術を組み合わせたハイブリッド手術室に必要な機器の提供を行っている。本日は、血管外科治療の第一人者である大木先生に、血管外科治療の最前線と、『村社会の原理』を使用した慈恵医大の組織活性化を紹介してもらう」と述べた。
大木隆生氏(慈恵医大)は、「村社会形成こそが組織求心力の要である:慈恵医大外科学講座での取り組み」を講演。大木氏は、外科離れが進み慈恵医大の外科学講座の医局員数が減った2006年に同大より帰国要請を受け、米国での教授職を辞して帰国した。米国での経験から、医局はゲマインシャフト(共存共栄の村社会)を目指すべきと考え、「トキメキと安らぎのある村社会」をキーワードに外科学講座の医局員増に取り組んだという。その結果、コストをかけることなく意識改革により外科学講座を蘇らせることができたと説明。医局員が増加したことで、関連病院への医師派遣やへき地医療支援・災害支援にも貢献できたとその実績を紹介した。
また、専門の血管外科治療については、「『ヒトは血管とともに老いる』と言われており、団塊の世代が75歳を超えると血管病が増加することが予想される。そのため、日本ではまだ未成熟な血管外科であるが、その重要性は今後増していくだろう」と述べた。