GEヘルスケア・ジャパン/アミロイドイメージングの最新事情をレクチャー
GEヘルスケア・ジャパンは、9月20日に日本GE(東京・港区)で、世の中で関心を集めている医療テーマについて専門家を招き最新の情報を伝えるセミナー「ヘルシーマジネーション・カレッジ」の第14回目を開催した。
今回のテーマは「臨床現場からみる国内認知症診断・評価の現状と展望~認知症の“見える化”を可能にするアミロイドイメージングの最新事情」。
同社代表取締役社長兼CEOの川上 潤氏は、冒頭「GEの『Silver to Gold戦略』の大きな柱の1つに、超高齢社会に重要度を増す疾患へのソリューション提供がある。アルツハイマー病もその1つ。昨年、PET検査向けのβアミロイド検出用放射性薬剤『VIZAMYL(ビザミル)』を発売し、投与治療薬の効果が判定しやすくなったが、それは治療薬の開発に直結する」と挨拶したのに続いて、3人の演者が講演を行った。
上條敦史氏(エーザイ)は、「アルツハイマー病は発症前に早期診断・介入を行うことが重要だ。そのために大きな役割を担うのがアミロイドイメージング。期待としては、①治験の成功確度の向上 ②テーラーメード医療の実現 ③アドヒアランスの向上の3点が挙げられる」と述べた。
服部直也氏(LSI札幌クリニック)は、「βアミロイドPETで陰性ならば10年位は大丈夫。陽性でも発症予防の努力や、介護・相続等の準備ができる。臨床家からの期待は、非典型的症例におけるアルツハイマー型病理の確定評価と非発症者における潜在的リスクの明示だ」とした。
石井賢二氏(東京都健康長寿医療センター研究所)は、「アミロイドイメージングは、予防的な方向では、疾患修飾薬開発での対象者の選択や、アミロイド制御ができているかの検証に役立つ。現在でも、正確な診断を早期にもたらし、適切な治療計画や予後の推定ができる」と説明した。