フィリップス・ジャパン/次世代ヘリウムフリーMRI「BlueSeal 」誕生 4月11日(金) ITEMにて国内初披露 (25.4.9)
フィリップス・ジャパン(本社:東京都港区、以下 フィリップス)は、4月11日(金)より、イメージングから読影支援までシームレスにAI技術でリンクした次世代ヘリウムフリーMRI「BlueSeal 」を販売開始し、パシフィコ横浜で開催される2025国際医用画像総合展(ITEM 2025)にて日本初披露する。
わずか7リットルのヘリウムで安定的かつ持続可能なMRI運用を実現
「BlueSeal」は、わずか7リットルのヘリウムで安定した超電導状態を維持する「BlueSealマグネット」を搭載した、70cmワイドボアの1.5T MRIシステムである。従来、継続的に必要とされていたヘリウムの補充を不要とすることで、自然災害やその他の緊急事態においても迅速な復旧を可能とすることで、より持続可能なMRI運用を実現する。さらに、新たに搭載された「PowerSave+」機能により、電力消費とCO₂排出の抑制を図り、地球資源の保全に貢献し、医療機関による持続可能な医療提供体制の確立を支援する。世界では既に1,700台が稼働しており、地震などの自然災害が多い日本でも多くの医療機関に導入されることにより、有事においても持続可能な診療の支援となることが期待される。
AI 技術により撮像時間の短縮と読影を支援し、臨床現場におけるワークフローを改善
また、「BlueSeal」では、AI技術を活用した「SmartSpeed」および「SmartReading」の実装が可能である。「SmartSpeed」AI は、画質の向上と撮像時間の短縮を両立し、限られた時間内でも高品質な検査の実現に寄与する。「SmartReading」は、MR操作コンソールからクラウドベースのAI読影支援ソフトウェアへゼロクリックでアクセスし、解析レポートを操作コンソールのデータベースやPACSへ自動転送する。増加する診療数や多様化する撮像ガイドラインへの対応を支援し、進化するAI読影支援技術を臨床現場へ円滑に導入するための新たなプラットフォームである。 たとえば、認知症治療薬の効果測定や、前立腺がん病変の検出を支援するソフトウェアとの連携も可能。
「BlueSeal」は、標準化が求められるがん診断や、高齢化社会におけるMRI検査需要の増加に対し、効率的に対応しながら検査品質の向上を図り、持続可能なMRI検査体制の確立に貢献する。
「BlueSeal」主な製品特長
持続可能なMRI検査運用
わずか7リットル(従来比0.5%未満)のヘリウムで超電導状態を維持できる高効率な
「Micro-coolingテクノロジー」を採用。また、新たに効率よくスタンバイモードを活用して消費電力を低減する「PowerSave+」機構を搭載した。これにより、ヘリウムや電力に関する医療機関のコスト・時間負担を軽減し、持続可能な運用を支援する。 また、クエンチ外部配管を必要としない構造により、災害時のリスクを抑える。仮に交通インフラ障害により冷媒供給が途絶しても、マグネット内に密閉されたヘリウムを再冷却することで迅速な復旧が可能である。さらに、70cmのワイドボア設計により、快適性と広範な検査対応力を両立している。
AI 技術による先進的なシステム管理機能
AI が500 項目以上のMRIシステムパラメータをリモートで常時モニタリングし、故障の兆候を事前に検知して対応する「AI-based predictive maintenance」をリーディングしている。139か国・25,000以上の医療施設とのリモート接続実績があり、約30%以上のトラブルを未然に防いだ実績を持つ。 BlueSeal マグネットは、このAIモニタリング機能を利用した「Easy Switch Solution」を搭載。吸着事故などで磁場を一時的に停止する必要がある際も、医療スタッフが自ら消磁・再励磁を行うことで、迅速なシステム復旧が可能。
イメージングと読影をAI技術によりサポート
「SmartSpeed」 AI は、画質の向上と撮像時間の短縮を両立し、限られた時間内でも高品質な検査の実現に寄与する。 「SmartReading」は、クラウド型のAI読影支援ソフトウェアへゼロクリックでアクセスできる新しいプラットフォーム。MR操作コンソール上でAI読影支援ソフトウェアと連携できることで、撮像前にプロトコルを自動チェックし、撮像条件の変更による定量情報への影響を回避するとともに、常に最新の診療ガイドラインに準拠した撮像を可能にする。撮像後は、連携したAI読影支援ソフトウェアへ撮像データの送信を行い、解析された結果がPACSや操作コンソールに送信される。これによりレポートの標準化と診断精度の均一化をサポートする。
問い合わせ=フィリップス・ジャパン コミュニケーション担当
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