GEヘルスケア・ジャパン/ セラノスティクスへの期待と国内における課題を解説(24.11.25)
GEヘルスケア・ジャパンは10月30日、Web上でONLINEメディアセミナー「がん治療の新たな展望-セラノスティクスの新たな展望と課題」を開催した。
同セミナーの2回目となる今回は、セラノスティクスによる診断・治療の見える化と国内導入の動向についての講演が行われた。
同社執行役員の松葉香子氏の挨拶に次いで、特定の病変に薬が結びつく原理とコンパニオン診断薬のトピックスについて、同社Lead Region Product Marketing-NMの三宅泰氏が講演。三宅氏はセラノスティクスのポイントとして「診断と治療において同じ標的分子を用いることにより、確実に治療の効果を確認できる」点を挙げ、具体例として177Lu-PSMA治療について、病変の確認から治療の決定、治療+病変集積の確認や正常組織への被ばく管理、治療効果判定までの流れと同治療法の有用性を説明。治療効果を確認できることで治療継続の可否が判断でき、より精密な医療を達成することができるとその有用性を述べた。
次に、新たな診断・治療法が普及するまでのハードルについて、同社政策推進本部長の大竹正規氏が講演。大竹氏はセラノスティクスが普及するまでのハードルとして、①薬事の壁、②診療報酬の壁、③現場実装の壁の3つを指摘。①については「診断+治療というセラノスティクス独自の新しい品質、有効性、安全性を示して薬機法の承認を得る必要がある」、②については「診断+治療という新しい医療に即した新しい診療報酬体系が必要。また、医療経済面から見た有用性をエビデンスをもって説明できるようにしなければならない」と述べ、その困難さを説明。③については「医療機関における運用の実際に関するガイドラインの制定など、制度的な整備を行う必要がある」とし、まずセラノスティクスに対する知見を広めることの重要性を主張した。