ニコンソリューションズ/不妊治療の顕微授精に特化した ICSI / IMSI 用電動倒立顕微鏡 「ECLIPSE Ti2-I」7月5日発売(24.7.4)
ニコンの子会社、ニコンソリューションズは、顕微授精に特化した ICSI/IMSI 用電動倒立顕微鏡「ECLIPSE Ti2-I(エクリプス ティーアイツーアイ)」を 7 月 5 日より発売する。顕微授精に必要な設定を手元のボタンおよびディスプレイに集約することで、顕微鏡操作の工程数を約 75%削減し、効率化を実現するとともに、アラート機能や明るく鮮明な視野により、正確な操作を支援する。
少子化は国内外を問わず大きな社会課題の一つとなっている。女性の社会進出や晩産化などを背景に、日本や欧州、米国において、不妊治療のニーズが増加傾向にある。日本では、不妊治療による出生は全体の 8.6%(約 11.6 人に 1 人の割合)になる。2022 年 4 月からは不妊治療が保険適用され、人工授精などの「一般不妊治療」、体外受精・顕微授精などの「生殖補助医療」の件数が今後も増加することが見込まれる。これらの治療を支えるのが、胚培養士である。
不妊治療の件数増加に伴い胚培養士への負荷が高まる一方で、作業の効率性・正確性がますます求められる。こうした課題に対し、ニコンは顕微授精に特化した「ECLIPSE Ti2-I」を市場投入することで、胚培養士の負荷軽減をサポートし、不妊治療技術および受精率の向上に貢献していく。
主な特長
1. 顕微鏡操作の工程数を約 75%削減し、顕微授精のワークフローを効率化
顕微鏡を用いて卵子に精子を注入する顕微授精では、マニピュレーターの調整、精子や卵子の詳細な観察、精子注入など主に 6 つのプロセスがある。従来機種では対物レンズや光量、コンデンサーなどの複雑な設定をその都度行う必要があった。「ECLIPSE Ti2-I」は、プロセスごとの複数の設定を1つのボタンに集約し、ワンタッチで観察モードの変更が可能となる。登録できるボタンは 6 つあり、観察モードを頻繁に変更する顕微授精のワークフローにおいて効率化を実現する。
2. 直感的な操作が可能なディスプレイとアラート表示で、操作ミス防止にも寄与
手元に配したディスプレイは、顕微鏡をのぞいたままでも操作可能で、視認性を高めたアイコンが直観的な操作を促す。また、ユーザーが登録内容とは異なる顕微鏡設定で使用した場合は、登録内容と不一致の状態であることをアラート表示し、操作ミスの予防を図る。
3. ニコン独自の光学技術で、明るく鮮明な観察を実現
ニコン独自の光学技術で、視野の明るさを向上させ、卵子や精子を鮮明に観察できる。とくに、卵子の中にある紡錘体を可視化することは顕微授精において重要である。「ECLIPSE Ti2-I」は、視認しにくい紡錘体を全方位でカラー表示でき、卵子の向きを変えても識別が容易である。これにより、胚培養士が精子を注入する際に卵子に針を刺す角度の見極めをサポートする。
問い合わせ=ニコンソリューションズ バイオサイエンス営業本部
TEL:03-3773-8138