NTTデータ/日本初、次世代医療基盤法に基づく医用画像データの提供開始(24.6.17)
次世代医療基盤法に基づく認定事業者である一般社団法人「ライフデータイニシアティブ」(以下、LDI)と「 NTT データ」は、クラウド型医療用画像管理システム大手である「PSP」 と、次世代医療基盤法に基づき、匿名加工医療情報としてエックス線画像などの医用画像データの提供を 10 月から開始する。本件に関する問い合わせの受け付けは 6 月から開始。これまで、次世代医療基盤法に基づく医用画像データの提供は国内で実施されておらず、日本初の取り組みとなる。
近年、世界的に AI を用いて医師の診断を支援するプログラム医療機器 の研究・開発が進められているものの、日本では研究・開発に必要な医用画像データの不足およびデータ取得における手続きの煩雑さが課題になっていた。さらに、医用画像の活用にあたっては、秘匿性を考慮した高い匿名加工処理技術が求められてきた。これらに対し、PSP が医用画像データを取得し、LDI と NTT データが該当データを匿名加工し、プログラム医療機器を研究・開発する事業者などへ提供することで、簡便に医用画像データを活用できる環境を実現する。本取り組みを通じて、プログラム医療機器等の研究開発を支援し、より早期で精緻な診断や、医師の労働時間軽減による働き方改革など、日本の医療業界に貢献していく。
【医用画像データ提供の概要】
LDI、NTT データは、次世代医療基盤法に基づき、医用画像データを 2024 年 10 月から提供開始する。本件は、2024 年 3 月に医用画像データの取り扱いに関する申請を次世代医療基盤法の主務府省に届け出を提出し受理されている。
両社は、これまで医療機関におけるリアルワールドデータとして、電子カルテ、保険請求データ、DPC 調査データの提供(千年カルテ二次利用サービス)を行っており、今回新たに医用画像データが加わる。これにより、簡便に医用画像データを活用できる環境を実現する。これまで次世代医療基盤法に基づく医用画像データの提供は実現されておらず、日本初の取り組みとなる。
医用画像データの提供は、次世代医療基盤法に基づく認定事業者である LDI、NTT データと、クラウド型医療用画像管理システム大手である PSP が連携して実施する。医療機関あるいは学会が持つ医用画像データを PSP が収集し、これを LDI、NTT データに連携する。LDI、NTT データは、次世代医療基盤法に基づき、画像に写り込んだ個人情報のマスキング、CT やMRI 検査の立体再構成による顔貌再現への対応など、適切に匿名加工し、医療分野の研究開発を目的に利用したい事業者・アカデミア等に提供する。
患者に対し個別に同意を取得する必要がなく、医療機関等から患者に対する適切なオプトアウト を実施することで、データ利活用者は、LDI から医用画像データを得ることができる。そのため、データ利活用者側で医療機関や学会との個別の調整・契約などは不要となる。LDI は、次世代医療基盤法の認定事業者であるため、医療機関や患者は安心してデータを提供することができる。
問い合わせ=NTTデータ 製薬・化学事業部
milkr_support@kits.nttdata.co.jp