NEC 、理化学研究所、日本医科大学/電子カルテとAI技術を融合し医療ビッグデータを多角的に解析
日本電気(NEC)、理化学研究所(理研)、日本医科大学は、複数の大学病院と共同で、医療分野における電子カルテとAI技術の融合研究を進め、前立腺がんを対象に医療ビッグデータを多角的に解析するマルチモーダルAIを構築した。これまでに、手術後から再発までの年数によってAIが捉えた予測因子のパターンが異なることを見出している。3者は本マルチモーダルAIの実用化に向けた連携を推進し、治療計画の最適化や疾患の早期発見を目指す。
医療が高度に専門化する中、医療ビッグデータを多角的に解析するツールが求められている。しかし従来の医療AIシステムは単独の検査データを対象とするものが多く、複数の検査データを利用して統合的に判断できないことが課題となっていた。本研究では、マルチモーダルAIを構築し、複数の検査データを同時に解析することが可能となった。この成果を基に、NEC(注1)が保有する電子カルテをベースとした各種データを統合するプラットフォーム技術、理研(注2)が開発した広範囲画像解析技術(注3)や特徴選択などを活用したマルチモーダルAI、そして日本医科大学(注4)をはじめとする複数の大学病院の医師による信頼性の高い検証データを組み合わせ、各種医療データを多角的に解析する医療AIシステムの実用化を目指す。この医療AIシステムにより、治療計画の最適化や疾患の早期発見、データの安全な運用が可能となり、治療期間の短縮による医療費の削減や、医療従事者の業務負荷の軽減と効率化が期待される。
(注1) 研究開発代表:NEC 医療ソリューション統括部長 浅見英徳氏
(注2) 研究開発代表:理化学研究所 革新知能統合研究センター 病理情報学チーム 山本陽一朗氏(チームリーダー)
(注3) Yamamoto Y, et.al. Automated acquisition of explainable knowledge from unannotated histopathology images. Nature Communications 10(1):5642-5642, 2019.
URL:new windowhttps://www.nature.com/articles/s41467-019-13647-8
(注4) 研究開発代表:日本医科大学 泌尿器科学/男性生殖器・泌尿器科学分野 大学院教授 近藤幸尋氏
問い合わせ:
NEC 医療ソリューション統括部
E-Mail:press@med.jp.nec.com
理化学研究所
E-Mail:t-soudan@riken.jp