富士フイルム/放射線治療計画支援ソフトウェア「SYNAPSE Radiotherapy(シナプス レディオセラピー)」新発売
富士フイルムは、がんの放射線治療計画における医師のワークフローを支援する、放射線治療計画支援ソフトウェア「SYNAPSE Radiotherapy(シナプス レディオセラピー)」をAI技術を活用して開発し、薬機法における医療機器の承認を取得した。本ソフトウエアは富士フイルム医療ソリューションズを通じて2月3日発売する。
放射線治療は、手術、薬物療法(抗がん剤治療)と並ぶがんの3大治療法の1つで、細胞に高エネルギーの放射線を体外から複数回照射したり、小型の放射線源をがん細胞が存在する組織近くの体内に埋め込み体内から放射線を照射して治療する手法。手術や抗がん剤治療に比べ、体への負担が少なく済むことが多く、手術が体力的に難しい場合などにも対応でき、また、がんの発生した臓器を残し、臓器の機能を温存できる治療として注目されており、国内の治療件数は年々増加している。一方で、放射線治療の専門医は全国的に少なく、放射線治療医の業務効率化を支援するソリューションへの期待が高まっている。
今回発売する放射線治療計画支援ソフトウェア「SYNAPSE Radiotherapy」は、富士フイルムの3次元画像解析システム「SYNAPSE VINCENT(シナプス ヴィンセント)」で培ったノウハウを基にAI技術を活用して開発した「臓器輪郭作成支援機能」と、医用画像情報システム(PACS)で培った技術を生かした「放射線治療ビューア機能」により、医師の放射線治療計画のワークフローを支援する。
<「SYNAPSE Radiotherapy」の特長>
(1)臓器輪郭作成支援機能
AI技術を活用して開発した「臓器輪郭作成支援機能」により、医師が特定したリスク臓器の輪郭を自動で作成することで、医師の作業時間を短縮する。
また、複数回照射を行う治療の中で、再度治療計画を立て直す際には、治療開始当初に撮影した計画CTの臓器の輪郭情報を、新たに撮影した計画CTに対して変形させてマッピングする「輪郭プロパゲーション機能」により、一から輪郭を作り直すことなく効率的に輪郭を作成できる。
(2)放射線治療ビューア機能
CT画像上で、照射した線量の分布を3Dで表示する機能や、複数の治療計画の線量を比較表示できる機能(線量表示機能)、複数回にわたる治療の照射線量を積算して表示する機能(線量積算表示機能)により、腫瘍部および正常な臓器への投与線量の管理をサポートする。これらの情報は各科で参照可能なため、院内で共有することができ、チーム医療を推進する。
さらに、「SYNAPSE Radiotherapy」は、放射線治療部門情報システム(治療RIS)と連携することができる。今後は富士フイルム医療ソリューションズが提供する治療RIS「ShadeQuest(シェードクエスト)/TheraRIS(セラリス)」との連携性を高め、「SYNAPSE Radiotherapy」の情報を治療RIS上でも参照できるようにすることで、放射線治療における業務の効率化にさらに貢献していく。
問い合わせ先=富士フイルム医療ソリューションズ 営業本部 第二営業部
TEL:03-6383-6272